本研究拠点は、独立行政法人日本学術振興会(JSPS)の令和5(2023)年度研究拠点形成事業(A.先端拠点形成型)として採択されました。
これまで名古屋市立大学では、ニューロン新生(生後の脳が新しいニューロンをつくるしくみ)の研究分野で海外の主要な研究者と共同研究を行い、成果をあげてきました。
これから、国際ニューロン新生研究拠点として、世界のニューロン新生研究者と連携し、活発に共同研究を行い、若手研究者の育成に貢献することを目標としています。
私は、中枢神経系の発生・再生のメカニズム解明と再生医療への応用をめざして、成体脳における神経幹細胞の増殖・分化と新生神経細胞の移動・成熟機構を中心に、齧歯類と霊長類、正常動物と疾患モデルを比較しながら研究しております。本拠点では、名古屋市立大学の強みであるニューロン新生の「動態」解析に加えて、「形態」「分子」解析の世界的な先端研究機関であるバレンシア大学、コペンハーゲン大学とともに、生後脳におけるニューロン新生を多角的に解析し、その全貌を明らかにしたいと考えております。
本拠点では、参加国で順番にセミナーを毎年開催し、最新の研究情勢の議論などの意見交換と共に、各国の若手研究者に発表の場を与え、国際交流感覚を養い、拠点の発展につなげます。また、各国機関の研究所単位での交流や、日本の神経発生・再生に関する研究会との交流が促進される働きかけを行います。
また、本拠点でトレーニングを受けた名古屋市立大学の大学院生や若手研究者が、次世代の脳科学分野の中枢を担う研究者へと育つプロセスを強力にサポートいたします。